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CORPORATE RELEASE
MESSAGE
株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
2025年3月期決算は、売上・利益ともに修正計画を上回る着地となり、まずは良い一年であったと考えています。この要因としてインバウンド需要の拡大があるのはもちろんですが、むしろコロナ禍で離れていた国内のお客様に戻ってきていただいていることが大きいと考えています。
当社は2023~25年3月期を新たなステージに向けた足場固めの期間と位置づけ、直面する課題の解決を図り様々な取り組みを進めてきました。具体的には「収益構造の強化」として収益貢献が期待される物販事業の成長促進やQSCH研鑽・設備更新による顧客満足の向上、「財務基盤の強化」として第三者割当増資、固定資産売却など安定性・効率性の確保を図る施策を進め、それぞれ一定の成果をあげることができたと考えています。
さらに経営の最重要テーマとして注力してきた「人材力の強化」については、定期採用はもちろん中途採用でも採用方法の多様化、外国人雇用の拡大など人材確保に積極的に取り組んだほか、体系的教育プログラムの導入、評価制度の再構築、週休2日制の導入など働きやすい環境の整備、魅力ある職場づくりを推進した結果、社員の定着率は向上、コロナ禍で進んだ人材流失に歯止めをかけることができました。一方で、事業基盤の構築が進む中、新しい事業に人材を振り向けられるだけの余力はないなど、事業開発人材、あるいはうかいの根幹である「人の温もりが感じられるおもてなし」を継承する幹部候補生の確保・育成は今後も継続課題です。
なお、契約期間の満了に伴い、『東京 芝 とうふ屋うかい』が2026年3月末をもって閉店する運びとなりました。旗艦店としてお客様とともに多くの思い出を紡いできたこの店舗を閉じることは、誠に残念であり、断腸の思いです。業績面でも一定の影響は避けられませんが、物販事業の成長や人材の再配置を通じて、数年以内に売上・利益の減少分を補える見通しです。今後は従来の形にとらわれず、『東京 芝 とうふ屋うかい』のスタッフも含め、社員一丸となって新たなビジョンの実現に向けて前進してまいります。
≪長期ビジョン≫
多様な食のシーンに関わり、より多くのお客様に感動を届けられる企業でありたい
新しい期のスタートに当たり長期経営構想2035(10年後の2035年にありたい姿)を策定し、「多様な食の業態に携わり、永続企業・ブランドを築き、すべての人に笑顔や感動、幸せな時間をプロデュースする」企業を目指すことを宣言いたしました。
うかいは非日常を味わっていただくことをコンセプトに最上級の料理・サービスの提供を目指し、自らを研鑽してきました。今日のうかいブランドは、こうした創業者をはじめ先輩方の努力により確立したと考えています。今後も確立したブランドを磨き続け、より付加価値を高めていくことが最大の使命であることに相違はありませんが、事業環境が急速に変化する中、さらなる成長を目指す上で、従来通りの展開を続けていくだけでは大きな成果、飛躍は望めません。思い切って思考を変え、新機軸を打ち出していく必要があると考え、長期経営構想には、今後の10年を見据えた次の成長フェーズへの一歩——という決意を込めました。
これまでの歩みを創業第一章とすると、これから始まる第二章では、レストランを核に物販・コンサルティング・プロデュース・教育など多様な事業領域に果敢に挑戦し、様々な食のシーンに関わることで、より多くのお客様に笑顔、感動を届けられる企業でありたい——そんな思いでうかいの物語を紡ぎ、次の世代につなげていきたいと考えています。
≪成長戦略≫
うかいブランドの価値をさらに高めるとともに新たな事業・ブランドの創出を目指す
長期経営構想の実現に向け、私たちは今後、まず第一に「うかいブランドの研鑽」、そして第二に「新たな事業・ブランドの創出」という、2つの方向性をもって歩みを進めていくことになります。4月には第二の課題である新規事業開発をスピーディに進めるための子会社として、株式会社UKAIzm corporation(ウカイズム コーポレーション)を設立しました。新会社の社長は、初の海外事業を立ち上げた実績を持つ人物で、その突破力を今後の新規事業開発に活かしてほしいと考えています。
◆セカンドブランド構築により新規顧客を獲得、顧客基盤の拡大を図る
新会社の事業領域はフードコーディネート、メニュー・商品開発からコンサルティング、教育研修まで多岐にわたります。そうした幅広い取り組みの一環として、まずは既存店舗をハイブランドと位置づけた上で、ハイブランドとは異なるコンセプトによるセカンドブランドの立ち上げに注力していきます。
ハイブランドではお客様と二世代、三世代にわたり長く、密度の高いおつきあいをさせていただいており、それがうかいの大きな強みとなっています。しかし国内人口が減少していく中で持続的に成長していくためには、今のお客様に加え、さらにターゲットを拡げて幅広いお客様層を開拓していく必要があります。そのためセカンドブランドでは既存店舗に来店したことがない層に目を向け、日常的に利用できるような店舗を開発することで、新規顧客の獲得、顧客基盤の拡大を図るとともに、将来的にはセカンドブランドのお客様にもハイブランドのファンになっていただくことを目指しています。
専門店としてのうかいの良さを生かしつつもハイブランドと異なる小規模・少人数体制、若手の登用による店づくりを目指し、豆腐・鶏肉、ハンバーグなど特徴ある一つの素材で勝負します。今期中には1号店を出店し、数年で複数店舗を展開する体制にもっていきたいと考えています。
◆次の時代の収益の柱として製菓・食物販の成長を促進
物販事業については、レストラン事業と並ぶ収益の柱として成長を加速すべく様々な取り組みを進めています。製菓事業では、懸案となっていた第二工房について2026年初夏の開業を目指し建設計画が進んでいます。生産能力の拡大はもちろんですが、それにとどまらず高尾山をイメージしたデザインの散策コース、お土産処、カフェ、さらに散策しながらクッキーの製造風景を覗くことができる工夫など、誰もが楽しめる「夢が詰まった場所」を目指しています。また新工房建設による生産能力向上を踏まえ、常設店の出店も加速していきます。
製菓以外の食物販では、今後の成長加速に向けて「仕組みづくり」と「商品開発」が喫緊の課題と認識しています。仕組みづくりでは物販事業に求められる大量生産を実現するため自前主義からの脱却を図り、OEMを含め検討を進めています。また商品開発では、物販・店舗の連携により、例えば牛肉を一頭買いしてレストランがステーキで使用する部位以外は物販で活用するアイデアが検討され、しゃぶしゃぶセットやカレー、ミートソースなどの新商品が開発されるようになってきました。今後も魅力的な商品が続々と生み出されるものと期待しています。
≪人材育成≫
業界全体で育成に取り組むことで人手不足を解消
少子高齢化により生産年齢人口が減り続け、企業は必要な人材を確保するのが難しくなっています。一社で人材育成を行うには限界があり、今後は企業の枠を超え、同業他社との連携によりノウハウを結集し、外食産業全体として人材を育てていくことができないか、という方向で模索を開始しています。
その第一歩として、ロイヤルホールディングス株式会社と協働で大阪・関西万博に「うかい亭大阪」を出店するにあたり鉄板焼きの経験がない異分野人材を対象に研修を実施しました。3カ月でお客様の前に立てるレベルのコックを育てた実績は、今後の事業に活用できる大きな財産と考えています。
◆広くノウハウを共有し若手のモチベーションアップにつなげる
万博での経験をもとに社内で「UKAI Academy(うかいアカデミー)」を立ち上げ、5月には全社の各部門から希望者を募り、鉄板焼き習得コースを開始しました。現在、うかいで鉄板焼きマエストロの称号を持つのはわずか7~8人。しかも全員が20年選手というベテランです。しかし、マエストロになるまでに20年かかるとなると、未来のうかいを担う若手が、その前に成長の場を求めて別の環境へと進んでしまうかもしれません。だからこそ、これまで個人の努力や経験に頼ってきた技術や知見を、組織としてしっかりと受け継ぎ、若い人たちが早くから表舞台で輝けるような仕組みをつくりたい——そんな思いからこのアカデミーは生まれました。
今後は多くの若手が鉄板焼きの技術を学び、現場で活躍できる機会を広げることで、人材の確保・定着を図ります。そして、いずれはサービスなど他分野にも学びの幅を広げ、社内外問わず広く人材を受け入れ、当社だけでなく業界全体の育成にも貢献していきたいと考えています。
株主・投資家の皆様へ
うかいの人材は本当に優秀です。私はコロナの厳しい時に社長に就任しましたが、ここまでやってこられたのは、何よりも社員が頑張ってくれた結果です。創業者のようなカリスマ経営者ではない私の下でも皆で困難に向き合い、業務に取り組んでくれました。ここまで会社として様々な苦境を乗り越え、業績も回復してきたのですから、今後も全員が迷わず同じ方向を向いて進んでいくことにより、必ず長期ビジョンを実現できると確信しています。株主・投資家の皆様には、うかいの今後の成長についてご安心いただくとともに引き続きご支援、ご指導いただきますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 | ![]() ![]() |